【武士道 part2】~第一章その1 武士道とはなにか ~
~第一章その1 武士道とはなにか ~
※新渡戸稲造著「武士道」を、私なりに編集してお届けしています。
「武士道は、日本の象徴である桜花とおなじように、日本の国土に咲く固有の華である。それはわが国の標本室に保存されているような古めかしい道徳ではない。
いまなお力と美の対象として、私たちの心の中に生きている。」
この有名な書き出しで始まる「武士道」の第一章は
”武士道とはなにか”について書かれています。
その答えを、再び新渡戸氏の言を借りる事にします。
『一言でいえば、「武士の掟」、すなわち、「高き身分の者に伴う義務(ノブリスオブリージュ)」の事である。』
「それはむしろ不言不文の語られざる掟、書かれざる掟であったというべきであろう。それだけに武士道は、いっそうサムライの心の肉襞に刻み込まれ、強力な行動規範としての拘束力を持ったのである。」
新渡戸氏は言います、武士道は誰か特定の人物が創造したものではない、と。
「もし言えるとしたら、武士道の起源は封建制の時代の中で自覚され始めたもの、と言うだけである。中略
したがって封建制そのものが多くの糸でおりなされているように、武士道もまた複雑に錯綜しているのである。中略
封建制の出現は12世紀末、鎌倉幕府をおこした源頼朝の支配と同時期と言える。そしてイギリスにおける封建制の社会的要素が、遠く征服王朝のウィリアム以前にまでさかのぼるように、日本における封建制の芽生えも、先の時期よりさらに以前から存在していたといわねばならない。」
つまり、封建制の中で自覚され始めたものの、その原型はそれ以前にあった、と言う事になりますね。
それでは、新渡戸氏が描く武士・サムライの原型とは?
そしてその行動規範の原型とは?
それについては、次回お届けいたします。
それでは、次回もお楽しみに!
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